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【商業写真館とコマーシャルスタジオ】ライティングの違いは最終出力物の時代性の表現

投稿日:2022年12月16日 最終更新日:2022年12月16日 記事制作:奥本 光城

 元国内ストロボメーカーの営業として、様々な場所でいろいろなお話を聞けました。写真が好きでしたので、そう言ったお話を聞けることが喜びでした。現代の写真館はハレの日を記念に残す場所です。コマーシャルフォトは今という時代を写し込む記録写真です。代表的な写真館のライティングとコマーシャルでのストロボの考え方を紐解きます。

写真館のライティング

 写真館には歴史があります。ガラスに像を写し込んでいた時代からフィルムに変わり、デジタルに進化しました。そしてそれらを紙にプリントする技術も進化しました。写真を撮るための光も、太陽光を求めた屋外から、北側に大きな窓を備えた写真館、そしてストロボの時代変化がありました。マグネシウムのようなランプを一回ごとに交換した時代を経てストロボという光源を写真館で使うことになってから、約60年くらいになるでしょうか。基本的なライティングは3次元の被写体を2次元の上の上で表現するための技術です。もう、決まった形しかありません。そこに、光の質や色、量のコントロールで味付けします。基本的には着物の色もきっちりと出しながら、笑顔を撮る台紙に入った多くても3面くらいまでの写真を想像してください。いつまでも、色褪せない写真です。型もの写真と呼ばれるこの撮り方は、写真館で長年引き継がれてきた伝統です。

メインライト、フィルライト、トップライト、バックライト✖️2、右アクセントライトでの写真館構成

コマーシャル写真のライティング

 コマーシャルスタジオで大きいものだと、出版社のスタジオになります。写真学部のある学校にも大きなスタジオがあります。大きな吊り下げ方の灯具が電動で動きます。ホリゾントという、壁が湾曲しながら床につながるタイプのお部屋が多いです。倉庫に作られたバイクや車用のホリゾントも拝見させて頂いた経験があります。シュミレーションソフトでは電動バンクはないので、代わりにラストライトのバンクで再現してみました。

コマーシャルスタジオの基本形はホリゾントと電動バンク

 電動バンクの光量と移動、角度調整をしながら撮影するか、灯具を足すことで安全にかつスピーディに撮影できます。

コマーシャル写真と営業写真の間の壁

 皆さんは流行をどうとらえていますか?今の時代の最先端は、数年で急速に色褪せます。映画やアイドルたちは流行を作っては塗り替え続けます。写真館で撮る写真は、最先端の流行ではありません。しかし、ずっと見続けられる家族の宝物です。それこそが、型もの写真の魅力です。コマーシャル写真のいいところは、その時代性をしっかりと写し込むところです。壁をしっかりと認識した上で、両方いいとこ取りに織り交ぜます。台紙に入った写真もいいです。デジタルアルバムやデータディスクもいいでしょう。自分の撮りたい写真、写されたい写真と、長年写真を撮り続けてきたプロの目とは違います。全てを信じなくてもいいですが、ちょっと信頼できる写真館さんが近くにあるといいですね。

営業写真館の勉強会とコマーシャル写真の勉強会

 営業写真様向けの勉強会は、光の質や撮影意図が実践的で深い内容が多かったです。固くて扱いの難しい光をどうやって使うと最高の結果が表現できるかとか、ライティングの役割を簡易的に1灯で2灯分持たせたりするような高度な勉強会でした。

 コマーシャルの勉強会は、光の性質を理解して撮影すると黒も白く写るし白も黒く写るというような勉強会でした。ちょっと再現してみます。結果から言いますと、背景からのストロボの距離をコントロールすると白い壁もグレーや黒に変わっていくということです。

 スタジオに備え付けられた決まったライティングではなく、その場のモデルや状況を踏まえた光を俊敏に作り出す応用性が求められます。ライティングはハイライトを入れていく芸術です。絵を描くように自分が強調したい部分に光を当てます。

 たくさんのライトがありますが、その役割はそれぞれ限定的です。

通常の写真撮影とストロボ写真撮影は全く異なる

 ストロボに対する考え方が違います。普通に考えるとストロボは、光の少ない室内で使わないとシャッタースピードが遅くなったり蛍光灯で変な色になったりするのを防ぐために使います。でも、スタジオライティングでは、ストロボは光の筆です。表現したい形を縁取ります。そして色を再現します。自然界では太陽が唯一の光源で、2つの太陽はいらないとよく言われます。そこで、よく使うのがレフ板です。スタジオ写真でも一つの太陽論はよくでます。でも、コマーシャル撮影ならイメージとして二つの太陽もありです。よく使われるのが挟み込みライティングです。左右同じ光量で同じような位置に設置して撮るのですが、本当に綺麗に撮れます。

 ライティングはソフトで学べる時代です。そしてこのソフトでは様々なチャレンジができます。例えばNFT作成用データを読み込んで画廊的な撮影を、ストロボライティングで撮影可能です。私のNFT最新作の「Mashroomers」で撮影してみます。

 例えばリビングに飾られている雰囲気のある写真も作れます。

あらかじめいろいろな素材があるので、それらを組み合わせてイメージを形にすることができるのです。そのソフトの名前が「set a light 3D」です。スタジオタイプがおすすめです。モデル撮影だけならBasicという安い方のソフトもいいでしょう。あとからアップデートすることもできます。初めから高い方法買っても数ドルしか価格が変わりません。毎回価格が変わったときにすぐに最新の情報に書き換えているサイトを作っています。英語かドイツ語、フランス語、ポルトガル語、韓国語対応ですが、日本語対応はまだされていませんが、大丈夫です。直感的に操作できます。髪型を変えたり、表情を変えたり、服を変えたり、ポーズを変えたり。造作もできます。工夫次第でなんでもできそうなきがしてきますよ。プラモデルを作っている感覚です。家族ドラマの脚本でも書いてみようと思うほどです。

投稿者プロフィール

奥本 光城
奥本 光城株式会社フォトサリュ代表
写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。

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