• 2025年1月21日 12:29 PM

バックグラウンドライトを人物に使った黒バックでの撮影をset a light 3Dでシュミレートする!

投稿日:2022年9月7日 最終更新日:2025年1月4日 記事制作:奥本 光城

クリプトたまてばこ
クリプトたまてばこ

バックライトに使うことの多いストリップバンクを使ったライティングです。

黒バックでの撮影のイメージが与える効果

黒バックで撮影された写真は、シンプルでありながら強い印象を与えます。背景が黒一色であることにより、被写体そのものが視線を独占し、より力強く感じられるのが大きな特徴です。余計な情報や背景のディテールがそぎ落とされることで、写真を見る人は自然と被写体へ集中し、その存在感を強く意識するようになります。また、黒は空間を引き締め、重厚感や高級感を演出しやすい色とされるため、人物や製品をより洗練された印象で見せられます。

さらに、黒バックのもつ影響は演出やストーリー性の面でも重要です。暗闇を連想させる黒色が、ミステリアスや荘厳といった雰囲気を作り出し、写真全体に深みをもたらします。光と影のコントラストが際立つため、ハイライトの部分だけが強調され、表情や質感、フォルムなどのディテールが際立ちやすくなります。これにより、シンプルでありながらもドラマ性の高い表現が可能となります。

一方で、黒バックを効果的に活かすためには、被写体のポジションやライティングの調整が欠かせません。背景に余計な光が回らないようにする工夫や、光を意図的にコントロールすることで、より深い黒を表現できます。そうした撮影技術と組み合わせることで、黒バックがもたらす引き締まった空間や強調効果を最大限に活かし、作品に力強い印象を与えることが可能になります。

出来上がりの写真解説

今回色々機材を動かして作ったシュミレーションをご覧ください。

「set a light 3D」はスタジオライティング用のシュミレーターです。

英語表示になりますが、直感的に選択できるライティングシュミレーターです。

お試しは無料です。下記のリンクよりご覧いただけます。

set.a.light 3D
For Photographers

黒バックなので、被写体との分離を頭において

黒い髪や服のエッジがわからなくならないようにサイドからストリップバンクで光をいれました。

サイドからのストリップバンクでの挟み込みライティング

キッカーライトNo.1&No.2は背景と被写体を分離するためのものです。

サイドからのストリップで挟み込んでいます。効果は次の趣味レーション画像の通りです。

目的は服や髪が黒く潰れて背景と区別がつかなくなることを防ぐことです。

髪の毛がやはり背景と馴染んでしまっています。もう少しなんとかしたいです。

そこでライトの位置を上げて出力を強くしてみました。

顔の前に影がありますがサイドの髪などは綺麗にハイライトが入っています。

この状態でメインライトをプラスします。

メインライト

メインライトの目的は被写体を立体的に見せることです。

基本的には左右どちらか45度で上方45度の位置におきます。

カメラレンズの焦点距離を考えて映り込まない範囲でなるべく被写体の近くに置いて

ソフトボックスの中央の光の芯(1番光の強い部分)を遠い方の肩に向けます。

これをフェザーリングと言います。

鼻先をかすめるようにライトを当てるとソフトボックスの内面反射を使った均一な光を作れます。

ちなみに被写体から見える面積でライトの質(柔らかさ)のコントロールが

できると覚えておきましょう。

小さいバンクなら画角の許す限り被写体の近くに置きます。

広角系のレンズで遠くに置くならなるべく大きなバンクを選びます。(柔らかい光)

大きなバンクを近くに置くことが1番効果的な柔らかいライトを作る方法です。

ただ、天井高がとれなくて斜め45度に上げられないなら

バンクの大きさを小さくして天井ギリギリまで上げて上方45度の光を確保しましょう。

両サイドライトとメインライト使用のシュミレーションです。

メインライトと両サイド光の3灯でのライティングです。

これはこれでと思いたいところですがスタジオではやはり

フィルライト(前面からのライト)が必要です。

フィルライトの目的

フィルライトはメインライトでできる立体感を作る光と影の

影の部分が強くなりすぎないために必要です。

そして被写体の皮膚や洋服などの色を鮮やかに表現するための色出しライトの意味があります。

その上、黒い目の中にキャッチライトというハイライトを入れるのです。

より多くのキャッチライトを入れるためにバウンスボードを使う方法や

フィルライトの面積を大きくする方法があります。

フィルライトの面積を大きくするには、トレーシングペーパーとアンブレラといった方法になります。

オフィスなら窓が正面にある状況で、トレーシングペーパなどで調整して使いましょう。

キッカーライトNo.3

天井備え付けじゃないけれど

アクセントライトを髪と肩に入れます。

キッカーライトは被写体と背景を分離するライトです。

キッカーライトNo.4

こうして整理してみるとたくさんのキッカーライトを使いました。

足の裏にハイライトが入ると明確に分離されて奥行きを感じます。

黒バックは特に背景と被写体の分離に気を使います。

まとめ

最後に全て点灯して撮影してみたら

背景まで明るくなっちゃって黒バックでなくてグレーになってしまいました。

シャッタースピード:1/125 絞りF8

そんな時は絞りを一段分絞ります。

F11にしてみました。

次背景が思った通りの黒に落ち着きました。

これくらいの露出で撮影しておいてレタッチで顔を明るく現像処理します。

ライティングの全体のバランスは大丈夫そうです。

トーンカーブで軽く補正してみました。色調は触っていないです。

中間色よりちょっとハイライト側を明るくして

暗部を少し暗くしました。

JPEGで読み込んでPNGで出力しています。

24bit PNG 766KB

8bit PNG 282KB

JPEG出力もしてみました。

JPEG 36KB

3枚を拡大表示して比べてみると24bitPNGが1番綺麗です。質は落ちますがJPEGも大丈夫です。

8bitPNGはトーンジャンプ

(ハイライトからのグラデーションのトーンがジャンプして波のように見えます)

を起こしています。

6灯ライティング黒背景

スタジオは引きがあった方がより焦点距離の長いレンズを使えます。

中望遠で遠くから撮れば

近くにストロボを置いても写り込みにくくなります。

やはり全身を取るなら

十分な引きと(8m位以上)と天井高(3m位以上)あると良さそうです。

set a light 3D は

将来のスタジオ設計にも使えるシュミレーションソフトです。

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投稿者プロフィール

奥本 光城
奥本 光城株式会社フォトサリュ代表
写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。

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