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【商品撮影ライティング】ストロボ機材とカメラ設定のコツとテクニック

By奥本 光城

12月 22, 2022

投稿日:2022年12月22日 最終更新日:2022年12月22日 記事制作:奥本 光城

 商品撮影はネットで広告する際にとても重要なファクター(要因)です。人は画像、音声、文字で情報を収集します。音声と写真を同時に伝えられる動画と写真、そして文章のクオリティが求められます。ここでは特に写真に特化して、どうしたらサイト訪問者に魅力を伝えられるか考えてみます。シュミレーションソフトを使っての解説です。サイト内で「set a light 3D」を詳しくご紹介しています。

魅力を引き出す

 3次元で表現される商品の魅力を、2次元のコンピューターのディスプレイ上に表現しなくてはなりません。立体的に見せるために必要なのは影です。光と影を作ることで立体的に見せます。そして、光の部分には視点が誘導されますので、みて欲しいところを強調できるのです。カラー写真なら色での表現も重要になります。

なぜストロボを選ぶのか

 全ての色を表現するために、全ての色の成分を持った光を当てて、その反射を記録する必要があります。ストロボの光は人工光の中で1番太陽光に近いスペクトラル・キャラクトリスティックス(分光特性)があります。特定の色だけ抜け落ちているLEDもあります。高演色性を意味するRa-95を選ぶこともできますが、全体的に輝度が高くても強さが足りないので、周辺の定常光の影響を受ける可能性が高くなります。なるべく室内を暗くして、室内の人工光(LEDライト、蛍光灯など)を消して使用する必要があります。ストロボなら、光の強さもあるので、定常光の影響を受けにくくなります。さらに、光の質をコントロールするためにアンブレラを使ったり、バンクを使ったり、ディフューザーという薄い紙を被写体との間に設置することも可能です。1度セッティングすると、そのあとは流れ作業でどんどん安定して写真が撮れる点も忘れてはいけません。

カメラをセッティングするコツ

 商品の安定性にもよります。縦に置くものや寝かせて置くもの。真横やちょっと上、真上から撮ることもあります。大ききめの安定感のある三脚を使って、思い通りのポジションにカメラを移動できるようにしたいものです。比較的に安価でしっかりしたベンロの三脚シリーズはおすすめです。量販店でも取り扱いのある安心のメーカーです。設定はマニュアルにして、シャッタースピードは1/60か1/125。絞り値はF11くらいをベースに作り込んで、後でカメラ側で調整します。次にやるべきことはホワイトバランスの調整ですが、これはライティングが出来上がってからでないとできません。まずは、商品を設置してから、ストロボを設置しましょう。

BENRO ベンロ 多くのカメラマンのニーズに応える三脚メーカー

商品を設置する

 カメラの位置と商品の位置、方向で写り方が変わります。客観的な位置の確認と、ファインダーの中の被写体の細部を、画面構成と対称性を加味しながらチェックしていきます。正面からの箱写真を撮る場合なら、左右の輪郭の奥行きの面積を確認します。

 一見正面ですが、遠近法で言うところの消失点が中央からずれてしまうと違和感があります。商品をセッティングする際に上下左右の直線を細かく確認していくことが重要です。カメラの設定を変えて表示できるものなら、方眼上のガイドをファインダーに表示させたり、PCなどの大型モニターで確認できる方法を模索する必要があります。

ストロボ機材を配置するテクニック

 商品撮影で2灯なら左右の挟み込み、3灯ならそれに上面に1灯追加します。バンクがあればバンク、なければトレーシングペーパー、アンブレラなどを使ってライティングします。ライト本体の光量を変えたり、距離を調整すると光の強弱がつけられます。ライトの照射面積が光のつよさに関係しているので、距離を2倍にすると1/4の光の強さになるのが距離で調整するライトの強さのコツです。ちょっと動かすだけで随分変化すると覚えておきましょう。光源の面積を広くすると光の質は柔らかくなります。そのためにアンブレラを使ったり、ディフューザーを使ったりします。特に反射の多い材質の撮影の場合には、カメラマンやカメラ、三脚などが映り込まないように白いディフューザーで囲んでの撮影になる場合もあります。白や、黒のケント紙が便利です。

写真を撮る

 レリーズでもボタンを押しても1/60や1/125ならブレは起こりません。それでもレリーズの使用をお勧めします。カメラの位置や方向が変わると、再設定にまた時間がかかります。カメラのモニターは信頼できません。ヒストグラムを確認する習慣をつけましょう。ライティングができたら、ホワイトバランスの設定をします。白い紙か18%グレーのボードを撮影して、カスタムで色温度を設定します。

set a light 3D

 セット・ア・ライト3Dは写真の照明シュミレーションソフトです。このソフトに出会えてよかったです。私は以前、写真業界で転職をしながらさまざまなことを学んできました。国産ストロボメーカーの営業としてさまざまな先生のセミナーに機材貸し出しメーカーとして参加したり、スタジオを訪問したりしてきました。そこでみたり、聞いたりしたことを形にしてみてもらうことが可能になったのです。このソフトでライティングを学ぶことは、写真のことだけでなく、店舗設計や創造性を鍛えてくれます。下記のリンクより無料お試しダウンロードできます。今の所、英語の状態での使用になりますが、そんなに難しくはありません。機材をセッティングして調整していく楽しさを体験してみてください。

set.a.light 3D
For Photographers

 

 商品撮影と人物撮影は違うことがシュミレーションをしてみて実感できます。基本的にライティングは自由なので、このようなソフトウエア上で試してみてから、実際の撮影機材で検証することで時間を節約できます。人物撮影あるあるを最後にお伝えします。

3灯同じ出力で人物撮影の基本的ポジションにストロボを設置する

 人物撮影の基本的三灯のポジションは、図の人物に近い方からトップ、メイン、フロントの3種類です。1番近くにあるストロボが強く被写体にあたり、距離が離れるにしたがって当たる光の量が減っていきます。

 

 若干の調整は必要ですが、基本的なライティングです。現場でのセッティングが簡単にできるようにモノブロックストロボの最大出力は同じもので揃える理由です。おすすめは400W/sでの統一です。もしも予算に余裕があれば、ジェネレータータイプで3つ出力ジャックがあるタイプなら微調整も足元でできます。


 set.a.light 3D - for Photographers

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投稿者プロフィール

奥本 光城
奥本 光城株式会社フォトサリュ代表
写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。

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