• 2024年12月21日 11:37 PM

知っておきたい!カメラと三脚、光源と照明アクセサリー、撮影と編集のすべて

By奥本 光城

2月 19, 2024 #写真撮影

投稿日:2024年2月19日 最終更新日:2024年2月19日 記事制作:奥本 光城

このガイドでは、カメラの選び方、三脚の活用、光源と照明アクセサリーの重要性について詳しく解説します。また、撮影技術と画像編集の基本も学べます。写真撮影の全体的な理解を深めるための必読の内容です。

カメラの基本情報

カメラは写真撮影の中心となる機器です。簡単にカメラを説明すると、光をレンズを通して呼び込んでそれを撮像素子で電気信号に変える暗箱的機械です。重要な構成要素を解説します。

センサーサイズ

  • フルフレーム、APS-C、マイクロフォーサーズなど、センサーサイズは画質と性能に影響します。大きなセンサーの方が画像処理能力が高いのです。数十万円から数百万円のいいレンズとフルサイズ、またはそれ以上の中盤サイズの画像素子を搭載したカメラまで幅広く選べます。予算によっては、利用するレンズの性能によって小さな画像素子のカメラを選ぶこともあります。数万円代のズームレンズの場合、センサーサイズを小さくすることでレンズの中央部の比較的解像度の高い部分のみを利用することができます。フルフレームサイズの撮像素子の使用パフォーマンスを最大化するのはレンズの解像力です。
  • 大きなセンサーは低照度での性能が良く、より良いボケ味を提供します。よく撮影素子を光のコップやバケツと表現します。明るい中にも明暗を、そして暗い中にも明暗を表現できる画像を撮影するためには、素子の大きさが影響します。フルフレームサイズが選ばれる理由です。結婚式場での新婦の真っ白なレースのウエディングドレスと新郎の真っ黒の中に貴賓のあるスーツの両方を一枚の写真にするには高いカメラでセンサーサイズが大きいカメラが適しています。

解像度

  • メガピクセル数は画像の詳細度に影響します。一般的に、高い解像度は大きなプリントや詳細な編集に適しています。きめ細かくて光に対する許容量が多い撮影素子が望まれます。また、画像処理における情報量も必要なので、Rawで撮影して現像処理するのが一般的です。

レンズの選択

  • レンズは画像の視角、ボケ味、シャープネスを決定します。高くて高性能なレンズは絞り値が低く高価格です。絞りを開けて、被写体に近づくと背景をぼかすことが可能です。撮影する目的に合わせて選ぶ必要があります。ズームレンズは便利ですが、数万円のズームレンズと数十万円のズームレンズでも差があります。レンズはレンズの集合体です。ゴーストやフレアといった内面反射やガラスのコーティングによる偽色の発生や解像度の低下などの処理力が金額を決定します。
  • ズームレンズは撮影範囲を変化させる柔軟性があり、短焦点レンズは画質が高い傾向があります。自由に被写体までの距離を移動できるなら単焦点レンズの方が安価で高性能です。

ISO性能

  • カメラのISO性能は、低照度での撮影能力を示します。基本的にはISO100が基準ですが、最近のデジタルカメラなら常用ISO感度の幅も広いので撮影目的によって決定することになります。高感度なら光を感じる速さが早まり、低感度ならその逆です。高感度の場合、光を感じるコップが早くいっぱいになるので、明るいところでは光が十分すぎて白飛びして色情報がない状態になってしまいます。デジタルカメラは写真ごとにヒストグラムを確認してISOを設定します。
  • 高ISOでのノイズの少なさは、暗い環境での撮影に重要です。ただし注意も必要です。好感度になればなるほど、定常光・環境光の影響を受けます。室内での撮影なら天井バウンスなどでのストロボ使用で正確な色の表現が必要です。また、直接的なストロボ利用では被写体だけが青白くなり、背景が定常光による色被りをしている場合もあるので、フィルターでストロボの色温度を変えておく準備も重要です。

オートフォーカス性能

  • 迅速かつ正確なオートフォーカスは、特に動きの速い被写体を捉える際に重要です。ボタンを押している時に、ターゲットに対してオートフォーカスしてくれたり、追従するモードもあります。オートフォーカスのスイッチをシャッターボタンと同じ場合が一般的ですが、別のボタンに設定することでよりシャッターチャンスにフォーカスした写真撮影をする場合もあります。

三脚の基本知識

三脚は安定した撮影を可能にし、特に長時間露光や精密なフレーミングが必要な場合に重要です。

安定性と耐久性

  • 重いカメラやレンズを支えられる強度と安定性が求められます。また、PCにおける特定のサイトにおいては画角やカメラポジションがデザインに与える影響も大きいことを理解しておきましょう。証明用の写真撮影においても、商品撮影においてもカメラ位置とカメラの撮像素子の傾きは被写体の形を変えてしまう重要な要因です。なるべく被写体と並行にカメラは設置します。建築写真ならレタッチでの修正も可能です。

可搬性

使用する環境によっては、軽量でコンパクトな三脚が望ましい場合もあります。カーボン三脚が比較的軽めで持ち運びに便利です。ただ、重さの面で安定性に欠けるのでカメラアングルに制約がでることを理解しておく必要があります。

調整可能性

  • 高さや角度の調整が簡単に行えることが重要です。画角に合わせて最短でスタンドセットができるように脚の角度やそれぞれの長さの変更がスムーズなものがいいです。また、雲台は縦・横・水平方向にパン棒のついた3WAY(スリーウエィ)雲台が私の好みです。人物から商品撮影、風景まで使える雲台です。今まで出会ってきた写真仲間の中には、すぐに調整できる自由雲台が好きだという人がいました。私は持っていません。ある程度高さがあり、脚が開く、そして3WAY雲台でアルミ製の3脚をお勧めします。
  • 使用する環境によっては、軽量でコンパクトな三脚が望ましい場合もあります。カーボン三脚が比較的軽めで持ち運びに便利です。ただ、重さの面で安定性に欠けるのでカメラアングルに制約がでることを理解しておく必要があります。

照明光源と照明アクセサリーの基本

照明は被写体の見え方に大きく影響します。

フラッシュ/ストロボ

  • 屋内や夜間撮影で必要とされることが多いのがストロボです。方向や強度の調整が可能なモデルで被写体の魅力を強調するライティングを心がけます。ソフトボックスやリフレクターを併用します。それにより、光を拡散させたり、反射させたりして、柔らかく均一な照明を作り出します。フラッシュ光は強いので環境光の影響を受けにくいのですが、ストロボをOFFにしての撮影での確認も重要です。

連続光源:定常光

  • 映像撮影や撮影前の照明効果の確認に適しています。光量が弱いので、環境光の影響を受けやすい点に注意します。室内灯を消したり、室外からの光の影響を加味します。動画の撮影にはLEDライトを使うことになります。基本的には環境光とのミックス状態です。インタビューの基本である3灯ライティング(キーライト・フィルライト・バック/アクセントライト)をベースに組み立てます。高演色性のLEDライトの使用が不可欠です。

撮影ステップを確認しよう

撮影プロセスは以下のステップに分かれます

1.撮影計画を立てる

撮影の目的とスタイルを明確にし、必要な機材を準備します。この撮影計画を立てるのに便利なソフトがあります。それは「set a light 3D」というシュミレーションソフトです。私はこのソフトが大好きでこれまでの経験で培った撮影術を発信しています。

2.フレーミングと構図

フレーミングと構図は写真撮影において非常に重要な要素ですが、カメラアングルの選択はこれらの側面に大きく影響を与え、写真の全体的な印象やメッセージを形作ります。カメラアングルの重要性について以下の点を考慮すると三脚使用の重要性が理解できます。

パースペクティブと深度

  1. 視点
    • カメラアングルは被写体をどの視点から見るかを決定します。たとえば、高い位置からの撮影(ハイアングル)は被写体を小さく見せ、低い位置からの撮影(ローアングル)は被写体を大きく、より強調された印象にします。被写体とカメラの傾け方による距離の違いから、形が変化するのです。
  2. 深度感の創出
    • 特定のアングルは画像に深度を加え、立体感を演出することができます。例えば、斜めのアングルは遠近感を強調し、空間の深さを表現します。また、撮像素子からの距離でピントが合う範囲が決定するカメラの特性上、同じ絞り値でもピントがあって見える範囲が変化します。

意図とメッセージ

  1. 物語性
    • アングルは物語や感情を伝えるのに役立ちます。例えば、子供の目線で撮影すると、世界を子供の視点から見た印象を与え、親密さや無邪気さを表現できます。
  2. 感情的な影響
    • 例えば、上からのアングルは支配感や孤立感を、下からのアングルは力強さや威厳を表現することができます。

構図の強化

  1. バランスと対称性
    • カメラアングルは構図のバランスや対称性を効果的に強調することができます。独特のアングルは、通常の視点では見落とされがちなパターンや形を強調します。
  2. 背景との関係
    • アングルによって被写体と背景の関係が変わります。適切なアングルを選ぶことで、背景を活かしたり、逆に敢えてぼかして被写体を際立たせたりすることができます。

クリエイティブな表現

  1. 独創性
    • 独特のアングルは写真に独創性を与え、視覚的な興味を引き起こします。通常とは異なるアングルからの撮影は、新鮮でユニークな視覚体験を提供します。
  2. 視覚的なダイナミズム
    • 斜めのアングルや非対称的な構図は、動きやエネルギーを表現するのに効果的です。

カメラアングルの選択は、撮影する被写体の特性、写真の目的、そして撮影者のクリエイティブな意図に基づいて行われるべきです。フレーミングと構図を考える際には、どのような視点から被写体を捉えるかを意識することが、写真の質を大きく左右する要素となります。

3.露出の設定

写真における露出の設定は、画像の明るさやコントラスト、色の鮮やかさに大きな影響を与え、結果的に写真全体の見栄えを大きく左右します。露出は基本的に、光の量をどれだけセンサーに到達させるかを決定する設定です。露出の設定には主に以下の4つの要素が関わります:絞り(Aperture)、シャッタースピード(Shutter Speed)、ISO感度(ISO Sensitivity)、ストロボによるライティング。

絞り(Aperture)

  • 明るさと深度
    • 絞りはレンズの開口部の大きさを制御し、センサーに到達する光の量を調整します。絞りの穴が大きい状態(低いf値)ほど多くの光が入り、写真は明るくなります。逆に絞りの穴が小さい状態(高いf値)と光の量が減り、写真は暗くなります。F16とかF22とかに絞り値を設定して穴を覗き込むとレンズの中央部が撮影時に絞り込まれて小さな穴に変化します。
  • 被写界深度
    • 絞りは被写界深度(写真のピントが合っている範囲の深さ)にも影響します。大きな穴の状態の絞り(低f値)は浅い被写界深度を生み、背景をぼかし、被写体を強調します。小さな穴の状態(高f値)ではピントが合う範囲(被写界深度)が広くなります。レンズの焦点距離の短い方がピントが合いやすく、望遠のように焦点距離が長いものほどピントが合いにくくなる特徴と合わせてf値を選ぶことになります。

シャッタースピード(Shutter Speed)

  • 動きの捉え方
    • シャッタースピードは、カメラのシャッターが開いている時間を制御します。速いシャッタースピードは動きを止めてシャープな画像を作り出し、遅いシャッタースピードは動きをぼかして動的な効果を与えます。
  • 露出量の調整
    • シャッタースピードは露出量にも直接影響します。速いシャッタースピードは光の入る量を減らし、写真を暗くします。遅いシャッタースピードはより多くの光をセンサーに到達させ、写真を明るくします。

ISO感度(ISO Sensitivity)

  • 光の感度
    • ISO感度はカメラのセンサーが光に対してどれだけ敏感かを表します。高いISOは少ない光でも多くの情報を捉えられるため、暗い環境での撮影に適していますが、画像のノイズを増やす可能性があります。
  • 露出の調整
    • 低いISO設定は光の感度が低く、よりクリアな画像を提供しますが、十分な光がないと暗い写真になります。

ストロボによるライティング

ストロボによるライティングは、写真撮影において露出に大きな影響を与えます。ストロボを使用すると、被写体に追加の光を当てることができます。

  • クリップオンストロボ
    • ストロボを使用すると、シーンに追加の光が導入されます。これにより、カメラのセンサーが捉える光の量が増え、結果として写真の露出レベルが上がります。ストロボを使用する場合、カメラの露出設定(絞り、シャッタースピード、ISO感度)を調整する必要があります。ストロボの光量に合わせてこれらの設定を変更することで、適切な露出レベルを得ることができます。
  • スタジオライティング:
    • ISO感度100、シャッタースピード1/60、絞りF11とカメラのマニュアル設定での撮影ならストロボの強さと距離で被写体に光をあてて撮影することができます。カメラの設定を変えないで光の量をコントロールするこの撮影方法が写真館やコマーシャルスタジオで行われている撮影です。一般的なストロボライティングとの違いを解説しているページもご覧ください。

露出のバランス

  • 露出のバランス
    • 最適な露出は、これらの設定をバランス良く組み合わせて、被写体の特徴や撮影シーンの雰囲気を最もよく表現できる明るさに調整することです。カメラが露出を自動で決定する方法は18%グレーに近づける入射光式露出測定のため被写体の反射率(色)によって異なります。白や黄色のように反射率が高いものはちょっと暗く、くすんだ色合いに調整されます。反対に黒や赤といった反射率が低い色は、ちょっと明るく、くすんだ色合いに調整されます。露出決定をカメラに任せるなら、被写体の色によってプラス・マイナスの調整をしましょう。もちろん、RAW(ロー)データーだ撮影してPCでソフトを使用して現像処理することの方をお勧めします。
  • 創造的なコントロール
    • 露出の設定を変えることで、写真家は明るさ、コントラスト、色の鮮やかさを創造的にコントロールできます。商品撮影で商品の色を正確に表現する時の露出は色の再現性を十分に発揮できる濃度での撮影が必要です。そのためにはカラーチャートを一緒に撮影して、最終的に信頼できる色合いに調整されたディスプレーを利用して現像、画像保存をする必要があります。

露出の設定は写真の見栄えに直接的な影響を与え、撮影者の意図や被写体の特性を反映するための重要な手段です。トーンのコントロールは作品への作者の意図を感じる重要な要素です。

4.フォーカスの調整

フォーカスの調整は、写真撮影において被写体の鮮明さと視覚的な重要性を決定するための重要な要素です。人物や商品撮影におけるフォーカスの位置に関して以下のガイドラインが参考になります。

人物撮影におけるフォーカスの位置

  1. 目にフォーカス
    • 人物のポートレート撮影では、通常、人物の目が最も鮮明になるようにフォーカスを合わせます。目は「魂の窓」と言われ、人物の表情や感情を捉える上で中心的な役割を果たします。
  2. 顔の中心部
    • 直立したポーズや全身撮影の場合、顔の中心部や顔全体にフォーカスを合わせることで、全体的な表情を鮮明に捉えることができます。
  3. フォーカスポイントの選択
    • カメラのフォーカスポイントを人物の顔や目に合わせることで、他の部分よりも顔を際立たせることができます。

商品撮影におけるフォーカスの位置

  1. 商品の最も重要な部分
    • 商品撮影では、その商品の最も重要な特徴や売り点にフォーカスを合わせることが一般的です。例えば、ブランドロゴ、デザインの特徴、または商品の特定の機能部分などです。
  2. 商品全体
    • 一部の商品撮影では、商品全体が鮮明に映るようにフォーカスを合わせることが重要です。これには、比較的開口面積の狭い絞り値(高いf値)を使用して深い被写界深度を作り出します。その分シャッタースピードが遅くなるのでブレに気をつける必要があります。カメラアングルの点においても三脚の使用が必須です。
  3. フォーカスの深さの調整
    • 商品によっては、部分的なフォーカスを通してアーティスティックな効果を出すことも可能です。例えば、ジュエリーの特定の宝石部分にフォーカスを合わせるなどです。

共通のポイント

  • 手動フォーカスの利用
    • 自動フォーカスだけでなく、手動フォーカスを使ってより正確なフォーカス位置を決定することも有効です。
  • フォーカスと背景の関係
    • フォーカスの深さを調整することで、被写体を背景から際立たせたり、背景をぼかして被写体に注目を集めたりすることができます。
  • 前1後2の法則
    • 例えば集合写真で4列の場合、絞り値にもよりますが前らか2列目にピントを合わせます。そうすると前に1、後ろに2といった具合に被写界深度を想像できます。結婚式など大切な被写体が明確にわかっている場合は1番前にピントを合わせますが、そうでないならこの法則を思い出しましょう。

フォーカスの位置は、被写体の最も重要な部分を強調し、視覚的なメッセージを伝えるためのキーです。人物撮影では感情や表情に、商品撮影では製品の特徴やディテールに焦点を合わせることで、目的に応じた魅力的な写真を撮ることができます。

5.撮影

撮影時の細かな技術や習慣は、写真の品質に大きく影響を及ぼします。手持ち撮影、三脚を使用した撮影、撮影環境の認識、そして撮影後の画像確認に関する具体的なテクニックを詳細に解説します。

手持ち撮影

  • 呼吸のコントロール
    • シャッターを押す際に息を吐ききって一時的に止めることで、体の揺れを最小限に抑えることができます。これは特に、遅いシャッタースピードで撮影する際に効果的です。
  • カメラの安定性
    • 正しい手の位置と姿勢を保つことで、カメラをより安定させることができます。カメラをしっかりと支え、肘を体に近づけることで安定性を向上させます。

三脚を使用した撮影

  • レリーズの使用
    • 三脚を使用する際は、カメラレリーズ(リモートシャッター)を使うことで、シャッターを切る際のカメラの動きを完全になくすことができます。これは特に長時間露光や微妙なフォーカス設定が必要な場合に重要です。

撮影環境の認識

  • 両目を開けての撮影
    • 一方の目でファインダーを見ながらも、もう一方の目を開けて周囲の状況を把握することは安全性を高めるだけでなく、撮影機会を逃さないためにも有効です。
  • 片目での慎重な確認
    • 特に商品撮影など、細部に注意が必要な場合は、片目を使ってファインダーや画面を通じて被写体を慎重に確認します。これにより、細部のフォーカスや構図を正確に行うことができます。

撮影時の画像確認

  • PCでの画像確認
    • 撮影後にPCで画像を大きくして確認することは、細部のシャープネス、露出、色合いなどを正確に評価する上で重要です。カメラの小さな画面では見落としやすい問題点も、大画面であれば容易に確認できます。特に商品撮影ではちょっとした角度の違いで写り方が変化します。ソフトによっては方眼表示できるソフトもあります。立方体の場合、正面からの撮影を想定すると上面の奥行きの左右の方向をチェックしましょう。

これらのテクニックは、写真の品質を向上させるために重要です。手持ち撮影の安定性、三脚を使用した精密な撮影、周囲の状況への注意、そして撮影後の細部への注意は、プロフェッショナルレベルの写真撮影に欠かせない要素です。

6.編集

撮影後の編集プロセスは、写真の最終的な印象を決定します。

私が使っている、画像編集におけるAdobe Lightroom Classicの使用は、特に大量の写真の効率的な処理において重要な役割を果たします。Lightroom Classicの特徴の一つである、複数の画像に対して同時に同じ色調調整を行う機能は、以下のような点で特に重要です。

一貫性のあるビジュアルスタイルの確保

  • スタイルの統一
    • 同じイベントやシリーズの写真に対して一貫した色調やスタイルを適用することができます。これにより、視覚的に統一感のあるコレクションを作成することが可能になります。
  • ブランドイメージの強化
    • 企業や個人のブランディングにおいて、一貫したビジュアルスタイルはブランドイメージを強化するのに役立ちます。

効率的なワークフロー

  • 時間の節約
    • 複数の画像に対して一括で編集を適用することにより、個々の画像に対して同じ調整を繰り返す手間を省くことができます。
  • 大量の画像の迅速な処理
    • イベント撮影や商業撮影など、大量の画像を扱う場合に特に有効です。短時間で多くの画像の編集を完了することが可能になります。

柔軟性とクリエイティブなコントロール

  • 編集の微調整
    • 一括編集後も、個々の画像に対して必要に応じて細かい調整を加えることができます。
  • 非破壊編集
    • Lightroom Classicでは、元の画像ファイルを変更せずに編集が可能です。これにより、元のデータを保持しつつ、さまざまな編集のバリエーションを試すことができます。

総合的な画像管理

  • 整理と管理
    • Lightroom Classicは、画像の編集だけでなく、整理や管理の機能も提供します。これにより、大量の画像を効率的に取り扱うことが可能です。
  • メタデータの活用
    • タグ付けやレーティングシステムを利用して、画像の検索や分類を簡単に行うことができます。

Lightroom Classicを使用することで、写真家やデザイナーは一貫性のあるビジュアルスタイルを維持しながら、大量の画像を効率的かつ柔軟に編集することが可能です。これは、特にプロフェッショナルな写真編集において、時間と労力の節約、品質の向上に大きく貢献します。

7.書き出し保存

写真や画像の書き出し(エクスポート)時に適切なファイル形式を選択することは、画像の用途や品質に大きく影響します。主に使用されるファイル形式にはJPEGとPNGがありますが、それぞれに特徴があり、異なる用途に最適です。

JPEG (Joint Photographic Experts Group)

  • 圧縮とファイルサイズ
    • JPEGは圧縮率が高く、高品質な画像でもファイルサイズを小さく保つことができます。これはウェブ用途やメール送信に適しています。
  • 品質と圧縮率のバランス
    • JPEGの保存時には品質と圧縮率のバランスを選択できます。高い品質設定では画像の詳細が保たれますが、ファイルサイズが大きくなります。低い品質設定ではファイルサイズが小さくなりますが、画像の詳細が失われる可能性があります。
  • 色の再現性
    • JPEGは色の再現性が良いため、多くのデジタルカメラやスマートフォンで標準的なフォーマットとして使用されます。
  • 透明度のサポート不可
    • JPEGは透明度をサポートしていません。背景が透明な画像には不向きです。

PNG (Portable Network Graphics)

  • 非圧縮/可逆圧縮
    • PNGは非圧縮または可逆圧縮を使用するため、画像の品質が低下しません。これは品質を最優先する場合に適しています。
  • 透明度のサポート
    • PNGは透明度(アルファチャンネル)をサポートしているため、ロゴやグラフィックデザインの保存に適しています。
  • ファイルサイズ
    • PNGのファイルサイズはJPEGよりも大きくなる傾向があります。これは、特にウェブ用途では考慮が必要です。
  • 詳細なグラフィックスに適している
    • シャープなエッジや詳細なテキストが含まれる画像に適しています。

選択の基準

  • 用途に応じた選択
    • ウェブ公開やメール送信などのファイルサイズが重要な場合はJPEGが適しています。透明度が必要なグラフィックや品質を最優先する場合はPNGが適しています。
  • 編集と再保存の考慮
    • JPEGは再保存の度に品質が低下する可能性があるため、繰り返し編集する画像にはPNGが適しています。

最終的には、ファイル形式の選択は画像の用途、必要な品質、ファイルサイズの制約など、様々な要因を総合的に考慮して行うことが重要です。

これらの要素は、プロフェッショナルな写真撮影の基本的な要点をカバーしています。各ステップは慎重に考慮し、実践することで、質の高い写真を生み出すことができます。

投稿者プロフィール

奥本 光城
奥本 光城株式会社フォトサリュ代表
写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。

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