投稿日:2023年3月17日 最終更新日:2023年12月6日 記事制作:奥本 光城
撮影シュミレーターは進化しています。教育教材としても十分に機能します。リフレクターの大きさによる影への影響も実写と比べてみて確認したところ、もちろん条件が様々な実写では誤差が生じますが、見事に表現していました。写真館勤務のフォトシューターの皆様や、ストロボ撮影が苦手な人、カメラマンとしてキャリアを積みたい、気軽にモデル撮影、そんなニーズを満たしてくれます。雑誌のポートレートや絵画から得たインスピレーション、映画のワンシーンをさまざまな方法で再現できるクリエイティブなソフトです。
ついに日本語対応した撮影シュミレーター
英語がわからなくてもなんとなく使えていたシュミレーターでしたが、設定から日本語を選べることになりより直感的に操作できるようになりました。
導入当初は英語になっていますので、上部のメニューよりSettingsを選んで日本人という項目を見つけましょう。
チェックを入れると日本語表記になりました。SETUPでセッティングをして撮影して、VIEWで写真をレンダリング(高画質、光の演算など)をします。そして、EXPORTでJpegかPDFで記録します。COMMUNUTYでは世界中の愛好者間で撮影ノウハウの共有ができます。お気に入りの写真を見つけたら、その撮影セットごとインポートすることが可能です。今回のバージョンアップで追加された、スヌートとバックライトリフレクターです。新たに加わるアクセサリーに気軽に触れられるのも嬉しいかぎりです。
プロジェクトに名前をつけて保存する
最初にするのは、プロジェクトに名前をつけて保存することです。
ファイルの保存場所を指定します。私の場合は、外付けハードディスクにフォルダーを日付で作成して年度ごとに保存しています。
これをしておくと、オートセーブのデーターも、レンダリング後のデーターも同じ場所に保存できます。
EXPORTの記録用画像だけは毎回記録時に、保存先ホルダーの確認が必要です。
SETUP(モード)
ここで撮影します。初期設定、立ち上げたばかりのシーンは次のようになっています。
カメラがあり、右メインのライトがあります。そして黒いバック紙がスタンドで固定されています。
そこに背景に向けてバックグラウンドライトが高い位置にあります。
メインライトにカーソルをあててクリックします。
すると黄色くなりますので、位置や高さ、バンクの方向などをカーソルで変更することが可能になります。
また、左側にはさまざまな仕様変更ができるウインドウが表示されています。
バリエーションとしてディフューザーの有無やグリッドを選ぶことができます。(光の質や照射角のコントロール)
また、カラーフィルターを使っての演出も可能です。
撮影手順
もちろん人それぞれです。自由で構いません。
私の例だけお伝えするなら、人物の衣装を選んでシチュエーションを決めてライティングをします。
モデルを選んで、衣装や髪型表情などを調整します。
プリセットされているポーズから選んで、それを変更していくとスムーズです。
そしてライティングして、撮影します。
撮影方法はエンターキーを押すか、右上のファインダービューのスナップ写真撮影ボタンを押します。
ファインダービュー近辺で絞りやISO感度のなどのカメラ設定が可能です。
ビューファインダー表示の右側には、ズームの調整スライダーや縦横画角切り替えなどのボタンがあります。
より詳細に設定したい場合はカメラを選択して左に表示される設定ウインドウで操作します。
ライティングの基本はとても奥が深くて面白いので私のホームページをご覧ください。
写真撮影のコツ
各ライトを選択して消えているSのボタンを選択するとそのライトだけの移り方を確認することができます。
実際の撮影では露出系を使って測定しますが、シュミレーターでは目測したかありません。
簡単に言葉にすると、メインライトはちょっと暗めでフィルライト(フロントライトで今回はアンブレラ)はかなり弱め。バックライトはご自由に。
ストロボ写真のカメラ設定は、絞りを決めてそれに近づけるように各灯の光量調節をします。
メインライトはちょっと暗め
カメラの設定をISO感度100、F11(絞り)シャッタースピードを1/60か1/125にするとして、露出系もISO100、シャッタスピードを設定します。
露出系にシンクロコードを差して被写体の位置で1灯毎に計測します。
メインライトの基準はF5.6からF8まででしょう。1灯で撮るなら少しくらい、1段から2段くらい表現になります。
光は足し算です。他のライトの影響がプラスされていくことを理解しておきましょう。
フロントライトはかなり暗め
フィルライト(意味での区分)と、フロントライト(場所での区分)は同じもので、メインライトの影の部分を補い、色を表現する弱いけれども重要なライトです。
露出系の測定値ならF2.8からF4までの間でしょう。全く意味がなさそうに見えて実は重要な光です。
フロントライトは、メインライトの影の濃さをコントロールし、色再現を豊かにし、人物ならキャッチライトを作ります。
レフ版や大きなメインは、大きなキャッチライトを作ります。
バックライトは表現に合わせてご自由に
バックライトは人物に影響させてはいけません。
その基本原則だけ気をつけるためには、モデルの立ち位置と灯具の位置関係が重要です。
バンドアやグリッドなどのアクセサリーも利用できます。
全部合わせて撮影する
灯具のSボタンを押して、表示を薄い状態に戻すと全てのライトでの撮影に戻ります。
そしてエンターボタンかSnapボタンをクリックすると撮影できます。
撮影した画像は下部にあるタイムラインに溜まっていきます。
タイムラインの横には、モデルやストロボの追加、撮影ツールや小道具を選んてクリックしてスタジオ内に持ち込むことができます。
撮影補助ツール
反射板や背景紙スタンド、リフレクターやカポックのような反射板を選んでセット内で使用することができます。
より実際の撮影に近い環境を作れます。左側のサイズではサイズを変更することもできます。
チェーンの絵柄にチェックを入れておくと縦横比が同じ状態で調整できます。
撮影小道具
机や椅子を配置しての撮影も可能です。クリック&ドロップで空間に持ってきて設置し、回転させて調整。高さを調整したりしてラップトップPCを机に置きました。
VIEW(モード)
レンダリングをするモードです。
左下にある全てのショットのレンダリングを選ぶと最初に設定したプロジェクトに名前をつけて保存したフォルダーに画像生成してくれます。
SETUPではスピード感を持ってスナップショットを撮影し、記録。このレンダリングという作業で、解像度を上げます。
上部メニュー内の設定の中に、品質設定の項目があります。
品質設定を選ぶとこの時のレンダリングの品質を選ぶことができます。
わたしはこんな設定にしていますが、解像度や品質、画像サイズが大きいほどレンダリングに時間がかかります。なので、調整は人それぞれです。
パソコンのスペックで変更するといいでしょう。全部真ん中くらいでも十分でしょうが、私はプロ向けに情報発信をする観点から解像度を上げています。
EXPORT(モード)
自分自身の記録や他者と撮影方法を共有したい時に便利なのがこのEXPORTモードです。
JPEGかPDFで一枚ものの資料作成ができます。表示方法は選択できます。出来上がりの写真イメージ、各灯具の設置条件、俯瞰図などを出力できます。
COMMUNITY(モード)
コミュニティーモードでは世界中のset a light 3Dユーザーの作った作品を共有することが可能です。
写真だけでなくその撮影方法まで共有されるのが大きな特徴です。
素敵な、素晴らしい映像とその撮影方法です。新しい撮影のクリエイティビティを伸ばしてくれます。
気になるあたなには15日間無料のお試しダウンロード
とにかく使ってみてください。
記録する画像にロゴが入ると記憶していますが、私はすぐに有料版に移行したのであまり覚えていません。
ただ、それ以外機能的には全て使えた記憶です。
このソフトはBasicとStudioの2タイプと3Dインポーターから構成されています。
【モデル撮影だけじゃない】祝公式ホームページもソフトも日本語対応 !写真の基礎を勉強したいあなたにおすすめset a light 3D撮影シュミレーター
上記のページでは更新された内容や価格などの情報を取り扱っています。
新情報があれば必ず更新する記事です。よろしくお願いします。
set.a.light 3Dの公式ホームページはこちら
For Photographers
投稿者プロフィール
- 写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。