投稿日:2024年2月27日 最終更新日:2024年2月27日 記事制作:奥本 光城
写真撮影シュミレーターを使った独学は、写真のスキルを身につける上で非常に効果的な方法です。特に写真撮影の分野では、技術と創造性が密接に結びついています。しかし、写真撮影を独学で学ぶ過程は、しばしば試行錯誤が伴い、時間とリソースを大量に消費する可能性があります。ここで「Set.a.Light 3D」というソフトウェアが画期的な解決策を提供します。
Set.a.Light 3Dの紹介
Set.a.Light 3Dは、写真撮影のシミュレーションを可能にするソフトウェアで、ライティングやカメラ設定、被写体の配置など、実際の撮影環境を仮想空間上で再現し、試すことができます。これにより、撮影前に多くの「もしも」を探求し、理想の写真を撮影するための事前準備が可能になります。撮影スペースの選択や、背景や家具などの小物、小道具などを自由に配置することができます。私が写真館への営業として訪問する中での経験を記事にしています。
本や人からの情報をシミュレーションで再現する重要性
写真関連の本からの情報、また人からのアドバイスや経験談は、写真撮影を学ぶ上で貴重な情報源です。しかし、具体的な状況を自分自身で体験するまで、そのアドバイスの真価を理解することは難しいかもしれません。「Set.a.Light 3D」を使うことで、プロの写真家が語るテクニックやコンセプトをシミュレーションし、その教訓を実際の撮影前に練習することができます。また、それをPDFとして記録を残すことができます。アンブレラやソフトボック、グリッドなど実際の撮影機材と同様の結果をシュミレーションすることができます。レフ板もディフューザーもあります。また、モデルを選び髪型や服装、表情やポーズを変えることもできます。そしてそれを写真としてキャプチャーすることで映像化できるのがいいところです。
独学における「Set.a.Light 3D」の活用法
- 基本的なライティング技術の習得: ライティングのセットアップを変更し、その影響をリアルタイムで観察します。
- 撮影シナリオのテスト: 結婚式やポートレート撮影など、特定のシナリオを仮想空間で再現し、最適な撮影方法を見つけます。
- クリエイティブな実験: 従来の方法から逸脱した独自のアイデアを安全な環境で試すことができます。
情報収集をして、それを再現して、そして自分なりの解釈で別の機材を使って検証するといいでしょう。撮影経験を手に入れることができるのです。そして、必要な機材を発見したりできます。自分の撮影において、どんな機材が必要かわかるのです。
独学のプロセスを支えるSet.a.Light 3Dの価値
「Set.a.Light 3D」は、独学者が直面する時間とリソースの制約を大きく軽減します。シミュレーションを通じて、理論と実践の間のギャップを埋め、より高い自信を持って実際の撮影に臨むことができます。機材を動かし、モデルを動かし撮影する遊びのような学習を通して学習できるのが最大の利点です。定常光のように光量を調整する点だけが実際の撮影と異なるところです。実際の撮影では光量はストロボメーターで測ります。うっすらと写っている状態がf2.8くらい。薄暗いくらいでf5.6。f11でちょうどいいかといった具合です。そういった様々な強さのストロボをたくさん使ってスタジオ写真は撮影します。1枚目は右上からのアンブレラ1灯のみでのライティング。2枚目はフィルライトを追加。3枚目4枚目はカメラ位置の上下変更。5枚目はバックライトを2灯追加。そして最後のカットはバックライトにカラーフィルターをかけたものです。
撮影術を習得するための近道
写真撮影技術の習得は、継続的な学習と実践を要します。従来の一般的な学習法では、まず写真の基礎を勉強します。そして実際に撮影をして困難を克服しながら次のステップに進んでいきます。情報も機材もあまり恵まれていない状態では、写真学校か写真家の先生か、写真サービスを行っている会社に属した状態で機材使用の許可を得て練習するしかありませんでした。モデルも必要です。フィルムからデジタルに変わって状況は良くなっていますが、機材の購入にはかなりの費用が掛かるのは変わりません。どんなスタイルの写真を自分の表現として習得するのか、誰に教えてもらうのかを独学できる環境がやっと使える時代になったのです。「Set.a.Light 3D」を活用することで、独学者は時間とリソースを節約しつつ、自分のペースで学習を進め、技術を向上させることができます。この革新的なツールによって、写真撮影の学習プロセスはよりアクセスしやすく、かつ効率的なものになります。
2024年のCP+のオンラインセミナーをざっとみての感想
写真撮影はクリエイティブ活動で多くの人が趣味や職業とする活動です。その集団の中に昆虫が好きな人、鉄道が好きな人、星が好きな人、自然が好きな人、人物が好きな人、そんな人たちが集まっています。所有機材の差があるので、撮影方法も様々です。撮影機材だけでなく、撮影に関する考え方もバラバラです。画像を作り込むためには撮影時よりもデーターのJpeg変換時、現像の時が重要だとする考え方と、撮影時に仕上げてしまう考え方です。フィルムの時代を考えると、ネガは後処理で写真屋さんのプリントマンに色調整を任せる感じです。リバーサルプリントは反対に撮影時にフィルターをかけたり、露出補正することで出来上がりの色を決定するものでした。たくさんのやり方の中から、自分の方法を見つけ出す楽しさなのだと確信しています。
最近は生成Aiとの関係性もあり、写真とか動画とかのイメージの転換機かもしれません。綺麗な映像、それ自体のコンセプトを明確化する作家性が重要なのだと感じるのです。
投稿者プロフィール
- 写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。