投稿日:2022年12月14日 最終更新日:2024年12月31日 記事制作:奥本 光城
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写真館が写真館としての写真を撮るということには、長年引き継がれてきた伝統と技術があります。写真の素晴らしさを知っていただきましたら、お近くの写真館に足をお運び下さい。昔からある、伝統的な写真館には100年を超える歴史があります。
写真の照明のことをライティングと呼びます
写真でこんにちは!
株式会社フォトサリュの奥本です。
街のカメラ店でのフィルム現像・プリント業務。
そして、ストロボメーカーのコメット株式会社の営業をしていたことがあります。
そんな私が、写真館的スタジオライティングの解説をします。
「ライティング」という言葉ですが、日本語では光の意味のLightingと文章を書く意味のWritingがあります。どちらも、「ラ」ですが違う単語です。光のコントロール、あて方の方のライティングのお話です。被写体を魅力的に演出する光のマジックについてぜひ、興味をお持ちいただけると幸いです。
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最終的に目指す写真はこの写真です。
一人でも集団でも、一人一人に綺麗なライトが当たるように調整します。
人物配置全体のバランスと、カメラ位置とライト位置が重要になります。
見本にあるような写真を撮るまでのライティングの設定や流れ的なものを
動画で解説しています。よろしければご覧ください。
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と言う方のために文書でもライティングの解説をしておきます。
スタジオライティングの基礎
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それぞれのストロボが役割を持っています。
人物の前面を 照らす立体感を表現する目的の光。
メインライトは斜め45度の光で立体感を表現する光と影を作ります。フィルライトは前方からのメインライトの影が強くなりすぎない目的と、色をしっかり出すための光です。
髪の毛や黒い服など、特に肩周りなどが黒くつぶれてしまわないようにするためのキッカーライトは背景と人物を分離して奥行き感を表現します。
背景の写り具合を調整するためのバックライト。(バックグラウンドライト)
光の広がり方を調整し、適切な光量を計測し、明るいところから暗いとこまでのつながりを大切にした写真撮影が 求められます。特にネガからデジタルに変わり、ラチチュード(撮像許容範囲)が狭くなりました。
その上被写体の体の位置やポージング、表情と背景との関係性で写真的な要素を構成します。
※それらを的確にわかりやすくお伝えするために「set a light 3D」を使用しています。
お試しダウンロードで15日間体験できます。公式サイトはこちらから。情報タグのDownloadsから行います。英語だけですが、一度無料で使ってみてください。面白いです。(人物の髪型や服装を変えて、照明機材を変化させて写真を撮ることができます。)
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メインライトとフロントライト
この2灯で人物の全面を照らす光を作ります。
立体感を演出します。
実際にはストロボメーターで絞り値を測って、光の強さを調整します。
(フラッシュメーター)
露出計のついてない昔のフィルムカメラを持っていない限り、
一般的には馴染みがあまりないですよね。
量販店などのカメラコーナーに行くと露出計は今でも販売されているので
1台持っていくと便利です。
(ちょっと高く感じるかもしれないけど)
このフラッシュメーターでストロボの光の量を測ることができます。
シャッタースピード60分の1、ISO感度100 に 設定して、
シンクロコードを本体に差し込み測定ボタンを押します。
すると絞り値が出ます。
F8とかF11とか。
見落としてはいけないのはその下に出るインジケーター、
まぁ実際には、F8と1/3とか。 そんな表現をします。
じゃあそこでメインライトの光の強さと言うと、
フロントライトの光が出されることを考え、
1灯だけの適性露出よりも低い、弱いライトが当たるように設定します。
全体でF11を目指している時、F11をメインライトで作ってしまうと、
他のライトを足していくとかなりのオーバーになってしまいます。
メインライトの光量
ズバリっていうのはないんですが、
1段から2段位 適正露出から 光量を落としたいところ、
ここでは、F5.6〜F8の間といったところでしょうか。
役割は左右、上方45度が基本的なセッティングで、
鼻の影をきれいに落とします。(立体感を出すのが主な役割です)
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フロントライト(位置的呼び名)の光量
意味的呼び名はフィルライト。(フィルインライト)
役割としてはメインライトでできる影の出方を柔らかくするのと、
衣装や肌の色を出やすくします。
やはり全体でF11を目指していて、
メインライトにたされるひかりなので、
F2.8〜4までとします。
あまり強すぎると、バックスクリーンに影が出たり立体感が損なわれて行きます。
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トップライト(位置的呼び名)の光量
スカイとも言います。どっちが意味で、どっちが位置なのか微妙な感じがします。
F16とか、F11、
髪の毛に光を入れてあげます。
このトップライトは、
写真の価値だと言っても過言ではないかと感じています。
トップライトのある無しは、
随分写真の印象を変えます。
もちろん、髪の毛を照らす光なので、
必要以上に光の量は髪の毛の量に合わせることになりますし、色も重要要因です。
写真館さんによって、
大きなバンクで作ったトップライトなどこだわりを見せてもらいました。
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トップライトにこだわりのある写真館さんは多かったです。
紗幕を使ったものや、大型バンクを設置する方もいました。
バックライト
バックライトはバックグラウンドライトともいい、
背景の色をコントロールするための光です。
人物の立ち位置に注意し、
バックライトが決して人物に当たらないように、
長めのソフトボックスやバーンドア付きのストロボ良いでしょう。
ライトを当てるコツは、
ライトをクロスさせるように背景に当てることです。
手前のバックライトで奥の角を狙い、
奥のバックライトで手前の角を狙います。
ライトは光軸といって 光の強い部分が存在します。
ライトから被写体までの距離を考えると、
理にかなった考え方ですし、効果が期待できます。
メインライトの場合でもフロントライトの場合でも、
光軸を外してライティングすることを特に、
フェザーリングと言います。
光の芯のコントロールで、
写真の細かい部分をコントロールできるのです。
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光の一番強い部分を、
被写体の一番遠い部分に向けることで、
均一に光をあてる技術。
かすめるようにあてるという意味です。
メインライトでは特にこのフェザーリングを意識することが多いです。
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アクセントライト
このライトはメイト逆側から暗くなった部分に、
ハイライトを入れるためのものです。
エッジ(輪郭)がはっきりするので背景との分離も図られます。
衣装の色によって、
ライトの当たり具合や光の量を変えることがあります。
反射率の高い黄色や白い服と、
反射率の低い黒や赤の幅に関しては光をもっと当てる必要があります。
レフ板ならば適当に光を反射させて、暗い部分に明るさを表現してくれるかもしれませんし、
それでも足りないようなら別のライトその部分に当ててあげる必要があります。
動画ではレフ板を当てたり、ちっちゃなソフトボックスを使って、
男性の 黒いズボンの表現を補ってみたりしています。
家庭でストロボを 使う場合、
1灯 で、全てを明るくするのを目的とします。
しかしながら、スタジオでのポートレート撮影の場合、
一つ一つのライトの意味を考えて、
被写体の魅力を引き出すために照射するのです。
今回もご覧頂きありがとうございます。
最近ずっと使っているこの便利なライティングシュミレーターは
「set a light 3D 」無料お試しで遊べます。価格はキャンペーン次第です。
チェックしてみてください。
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その中にジオラマ的に撮影スペースを作ることが可能です。
そしてそのジオラマに自分で作ったイラストデーターを入れ込んで撮影します。
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写真撮影のノウハウを習得したいなら、「set a light 3D」はとても便利なソフトです。自分の持っている機材でどんな撮影の引き出しが作れるのか確認して機材の配置図をPDFで保存しておくことができます。実際の機材で自分のライティングを試す時は、家族にお願いしてモデルになってもらう必要があります。スタッフさんにお願いしても効率が良いとは言えません。そんなときにこのソフトは重宝します。セールがある時はこちらのブログで写真撮影シュミレーターの記事内で取り上げています。BasicとStudioの違いもまとめています。
投稿者プロフィール
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- 株式会社フォトサリュ代表
- 写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。
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