投稿日:2026年7月23日 最終更新日:2026年7月23日 記事制作:奥本 光城

今回は、ライティングシミュレーションソフト「set.a.light 3D」を使用し、人物撮影のライティングを組んでみました。
使用したストロボは2灯です。
メインライトには直径150cmの透過アンブレラを使用し、もう1灯には20度のグリッドを装着した18cmリフレクターを使用しています。
大きな光源で人物全体を柔らかく照らしながら、グリッド付きのストロボで背景にアクセントを加える構成です。

1.メインライト:150cm透過アンブレラ
メインライトは、モデルから見て左斜め前、カメラから見ると右側に設置しています。
使用したのは、直径150cmの大型透過アンブレラです。ストロボの光をアンブレラの内側に当て、その光を白い布越しに被写体へ届けます。
透過アンブレラの大きな特徴は、光が広い範囲に拡散し、柔らかい光を作れることです。
今回は光源のサイズが150cmと大きいため、顔だけでなく上半身から衣服まで、比較的均一に照らすことができます。顔にできる影の境目も柔らかくなり、肌の質感を自然に見せやすくなります。
モデルの正面ではなく、少し斜め方向から光を当てているため、顔の反対側には適度な陰影が残っています。
正面から均一に照らすだけでは、顔が平面的に見えてしまうことがあります。斜め方向からメインライトを当てることで、頬や鼻、あごの形に自然な立体感を出すことができます。
また、アンブレラをモデルより少し高い位置に設置し、斜め下方向へ光を当てています。
これは、自然光が上から差し込む状態に近づけるためです。目の下やあごの下に自然な影ができ、顔の形を整えて見せる効果があります。
アンブレラの位置が低すぎると、鼻の下や目の上に不自然な影が出ることがあります。反対に高すぎると、目の周囲が暗くなりやすいため、モデルの目に光が入る高さを確認しながら調整します。
2.アクセントライト:グリッド付きリフレクター
2灯目のストロボは、モデルの後方から斜めに背景に当てています。
こちらには、18cmリフレクターと20度のグリッドを装着しています。
グリッドとは、ストロボの光が広がる範囲を狭くするためのアクセサリーです。光を必要な場所だけに当てやすくなり、背景や顔の正面に余計な光が回るのを防ぐことができます。
今回のアクセントライトは、背景にグラデーションを作るために使用しています。
後方から細い光を加えることで、背景にハイライトが入り、背景から人物が浮き上がって見えるようになります。
この光は、人物全体を明るくするためのものではありません。
ストロボの出力だけでなく、光の方向やグリッドの角度も細かく確認します。
3.2灯の役割を明確に分ける
今回のライティングでは、2灯のストロボにそれぞれ異なる役割を持たせています。
メインライトは、顔や衣服を柔らかく照らし、写真全体の明るさと人物の印象を決める光です。
一方、グリッドを装着したストロボは、背景にハイライトをつくり、人物と背景を分離するための光です。
すべてのストロボを同じ強さで人物の正面に当てるのではなく、それぞれの役割を考えて配置することで、少ない灯数でも立体感のある写真を作ることができます。
ライティングを組む際には、最初から2灯を同時に発光させるのではなく、まずメインライトだけで撮影することが大切です。
メインライトの位置、高さ、角度、明るさを決めたあとで、2灯目のアクセントライトを加えます。
この順番で調整すると、それぞれのストロボが写真にどのような変化を与えているのかが分かりやすくなります。
4.グレー背景との組み合わせ
背景には、暗めのグレーを使用しています。
グレー背景は、白背景よりも落ち着いた印象を作りやすく、黒背景ほど人物の輪郭が沈みにくいという特徴があります。
今回のようなオレンジ系の衣服は、グレーの背景と組み合わせることで色が引き立ちます。
背景には直接ストロボを当てていないため、中央から周辺にかけて自然な明るさの変化が生まれています。背景を均一に明るくしすぎないことで、人物に視線が集まりやすくなっています。
また、モデルと背景の間に距離を取ることで、背景への光の回り込みを抑えています。
背景を暗く見せたい場合は、ストロボの出力を下げるだけではなく、モデルと背景の距離、ライトとモデルの距離、光を当てる角度を調整することが重要です。
5.今回のライティングで得られた効果
150cmの透過アンブレラを使用したことで、顔から上半身まで柔らかく自然な光で照らすことができました。
顔の明るい側から暗い側への変化も急激ではなく、女性ポートレートに適した滑らかな陰影になっています。
さらに、後方からグリッド付きのストロボを加えたことで、背景にグラデーションが生まれました。
大型アンブレラによる柔らかな光と、グリッドによる方向性の強い光を組み合わせることで、柔らかさを保ちながら立体感のある人物写真に仕上げることができます。
まとめ
今回のライティングは、透過アンブレラを使用したメインライトと、グリッド付きリフレクターを使用したアクセントライトの2灯構成です。
メインライトは人物全体を柔らかく照らし、顔の立体感や肌の質感を表現します。
アクセントライトは濃いめの背景にハイライトを入れることで、人物を背景から分離する役割を持っています。
ストロボ撮影では、使用する灯数を増やすことよりも、それぞれのストロボにどのような役割を持たせるかが重要です。

「顔を照らす光」「輪郭を作る光」というように役割を整理すると、シンプルな2灯構成でも、奥行きのあるポートレートを作ることができます。
投稿者プロフィール

- 株式会社フォトサリュ代表
- 写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。
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