投稿日:2024年8月1日 最終更新日:2024年8月1日 記事制作:奥本 光城
「ストロボ撮影のメンターとは良き相談者である」という言葉には、以下の4つの観点から意味が含まれています。自然環境に左右されない条件下での安定した撮影データーを得るためには、ストロボ利用が必須です。しかしながら、カメラマンが撮影するだけでは全体がデザインされた状態ではありません。そんな中、様々な視点を合わせ持ったメンターが必要になります。
ストロボ利用の観点
ストロボ撮影は、光量や光の方向性、露出などを適切にコントロールする必要があり、高度な技術が求められます。メンターは、ストロボの使い方やセッティングについて深い知識と経験を持っているため、ストロボを効果的に活用するためのアドバイスを的確に行うことができます。
光を操るセンスを高めるためには、理論と実践の両面からアプローチする必要があります。光の3原則(反射、屈折、吸収)を理解し、適切にライティングツールを使う必要があります。また、様々な被写体(人物、スチル等)への光の当て方を経験することで
ストロボの配置と光量のバランス調整などを素早く行えるような訓練が必要です。
撮影企画の観点
ストロボ撮影は、被写体や撮影場所、撮影目的などによって最適な設定が変わってきます。メンターは、様々なシーンでのストロボ撮影の事例を数多く経験しているため、企画段階から効果的な撮影プランを立案するのにも適した相談相手となります。目的を実現するための撮影企画が重要です。
大手通販サイトでは背景が白で統一されている場合が多く、目立った影などがない傾向があります。白い商品のエッジが正確にわかるような撮影の工夫が必要です。画像の切り抜き、色調整などをします。撮影時の環境調整、撮影後の調整、調整環境の統一をトータルで設計します。
ネット環境全体を把握している観点
写真撮影をネット利用を前提としたトータルデザインの観点から捉えると、俯瞰的に見る感覚を持つことが非常に重要になります。
ネット上での利用では、写真はコンテンツの一部として機能するため、その写真単体の質だけでなく、全体の中での調和や統一性が問われます。つまり、写真はサイトやコンテンツ全体のデザインコンセプトと整合性を持つ必要があるのです。
例えば、ウェブサイトのトーンと写真の色味・雰囲気が合っていないと不釣り合いになり、ユーザーに違和感を与えてしまいます。また、レイアウトに合わせてトリミングされた写真では、本来の魅力や意図が損なわれる可能性もあります。
そのため、ネット利用を前提とした写真撮影では、以下のような俯瞰的な視点が求められます。
- デザインコンセプトの理解
サイトやコンテンツ全体のデザインコンセプト(テーマ、ターゲット、色使い、レイアウトなど)を十分に把握する。 - 写真の位置付け検討
コンセプトに沿って写真がどのような役割を担うのかをあらかじめ設計する。 - 撮影プランの立案
写真の用途に応じた撮影手法(構図、光の当て方、加工の見込みなど)を事前に計画する。 - 関連デザイン要素との調和
配色、素材、フォントなど、他のデザイン要素と写真がなじむよう意識する。 - 最終的な全体バランスの確認
編集の最終段階で、写真が全体のデザインに調和しているかを総合的に確認する。
このように、写真撮影をサイトやコンテンツ全体の一部と捉え、デザインの俯瞰的な視点を持つことが、ネット利用を前提としたトータルデザインにおいて極めて重要になるのです。
メンターの問いの力と解決力の観点
メンターは単に知識を持っているだけでなく、的確な質問を投げかけることで、初心者が自分自身で気付きにくい課題や問題点を掘り下げることができます。そして、豊富な経験に基づいて、具体的で実践的な解決策を提示することができます。
ストロボ撮影のメンターは、ストロボの専門的な知識、撮影企画力、最新情報の把握、そして問題発見力と解決力を併せ持つことで、ストロボ撮影を学ぶ者にとって最適な相談者となり得るのです。
会社内の撮影業務プロジェクトを立ち上げるためのロードマップ
- プロジェクト目的の明確化
- 撮影業務の内製化による品質向上と費用削減
- 社内イベントや広報素材の撮影体制の構築
- オリジナル撮影コンテンツによるブランディング強化
- 撮影ニーズの洗い出しと優先順位付け
- 各部門からの撮影依頼をヒアリングし一覧化
- 依頼内容を分析し、優先度の高い撮影業務を選定
- 必要な撮影装備の検討と調達
- 使用目的に合わせたカメラ機材の選定
- 撮影照明、アクセサリー、編集ソフトウェアの検討
- 予算計画と調達スケジュールの策定
- 担当者の選任と育成計画
- 撮影経験者の社内公募または中途採用
- 撮影スキル向上の研修プログラム策定
- 外部専門家によるメンタリングの検討
- 撮影業務の運用ルール策定
- 撮影依頼から納品までの業務フロー構築
- 著作権や個人情報の取り扱いルール明確化
- 安全運用とリスク管理の体制整備
- 社内への周知と撮影依頼体制の整備
- ポータルサイトやスケジューリングツールの導入
- 社内通知やオンライン説明会の開催
- 運用開始と定期的な改善
- 試行期間を設けた上で、本格運用開始
- 定期的にレビューを行い、問題点を改善
- 将来の需要拡大に向けた継続的な見直し
このロードマップを基に、プロジェクトの具体的な計画を策定し、適切な時期に段階的に実施していくことで、円滑な撮影業務の内製化を図ることができます。プロジェクトの進捗状況や社内の体制変化に応じて、随時ロードマップの改訂を行うことが重要です。その際に必要なのがストロボ撮影メンターなのです。
投稿者プロフィール
- 写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。