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アパレル事業者必見!顧客心をつかむ「色」と「形」、そして「イメージ」の写真テクニック

投稿日:2023年10月24日 最終更新日:2023年10月24日 記事制作:奥本 光城

アパレル業界は、常に変化し続けるトレンドと消費者のニーズに追いつくことが求められる業界です。そして、その中で非常に重要なのが「写真」です。今回は、アパレル事業者が持つべき2つのキーとなる写真テクニック、すなわち「色と形がしっかり伝わる写真」と「イメージ的写真」に焦点を当て、その重要性と撮影のコツをお伝えします。

色と形がしっかり伝わる写真撮影

消費者がオンラインショップで商品を選ぶ際、彼らが最も信頼するのは写真です。特に色と形は、商品の購入意欲を高める大きな要因です。

ライティング

均一で自然な光を使用して、製品の色を正確に再現します。ストロボやリフレクターの使用で、影を最小限にし、商品の形を際立たせることができます。

  • 光の質:均一で柔らかい光は、商品のテクスチャや繊細な色合いを表現します。ソフトボックスやアンブレラを使用して、ストロボの光を拡散させることで、自然でやわらかな照明を実現できます。他方で硬い・強い光を布に当てることで抜けのいい高発色な写真を撮ることもできます。
  • 光の方向:正面からの光は、商品のディテールを際立たせる効果がありますが、斜めからの光は、立体感やシルエットを強調することができます。商品の特性や、強調したい部分に応じて、照明の角度を調整することが重要です。
  • シャドウのコントロール:ライティングの配置や強度を適切に調整することで、必要な部分にシャドウを作り出すことができます。これにより、商品の立体感や深みを出すことができます。

ライティングは、アパレル商品の真実の姿を正確に、そして魅力的に伝えるためのアートとも言える技術です。商品の質や特性を最大限に引き出すための適切なライティングテクニックの習得は、プロフェッショナルなアパレル撮影のための絶対条件と言えるでしょう。

背景(バックグラウンド)

無地の背景を使用することで、商品の色や形が際立つようにします。特に白や灰グレーの背景がおすすめです。

  • 色の選択:一般的に、アパレル商品の撮影では白やグレーの背景が好まれます。これは、これらの色が商品の色を歪めずに正確に表現するためです。また、淡い背景色は商品のディテールを際立たせる効果があります。
  • テクスチャーと質感:滑らかで一様なテクスチャーの背景は、商品の質感や繊細なディテールを邪魔せず、きれいに映し出すことができます。シンプルな紙や布の背景が多く用いられます。
  • 無地 vs パターン:パターンのある背景は、時として撮影のアクセントとして用いられますが、基本的には商品が主役であるため、無地の背景が選ばれることが多いです。

アパレル商品の撮影において、バックグラウンドは商品の魅力を引き出し、それを際立たせる役割を果たします。シンプルでありながら、その選び方一つで商品の印象が大きく変わるため、適切な背景の選定は非常に重要です。

イメージ的写真撮影

アパレルの世界では、商品だけではなく、それを身に纏うときの「気分」や「ライフスタイル」を伝える「イメージ的写真」が極めて重要です。これはブランドのストーリー、哲学、またその季節のトレンドやコンセプトを視覚的に伝えるものとなります。

  • ロケーションの力:イメージ写真は、ショップやスタジオだけでなく、さまざまな場所で撮影されます。例えば、ビーチでの撮影は夏のリフレッシュ感、都会の街中はモダンさやエレガンスを伝えます。ロケーションは、商品が持つストーリーを物語る背景となります。
  • モデルとの相性:モデルの選び方も重要。彼らの表情やポージング、そして商品との相性は、その商品が持つイメージを一層高めます。活動的なウェアであれば、動きのあるショット、フォーマルウェアであれば、洗練されたポーズが求められます。
  • スタイリングのセンス:単に商品をモデルに着せるだけではなく、アクセサリーや他のアイテムとのコーディネートが、全体のイメージを一層豊かにします。

イメージ的写真は、単なる商品の紹介を超え、ブランドの価値や哲学、顧客がそのアイテムを手にするときの期待感や夢を視覚的に表現するものです。その撮影技術とセンスは、アパレルブランドの魅力を最大限に引き出すカギとなるでしょう。

アパレル関係者が知っておきたいストロボ撮影のテクニック

  1. ソフトボックスやアンブレラの使用: これらのツールをストロボと組み合わせることで、均一で柔らかい光を得ることができます。衣料品のテクスチャや質感を正確に捉えるためには、直接的でハードな光よりも、拡散された光が望ましい場合が多いです。他方で、直線的でハードな光は夏の印象を写真で表現するには必要です。ストロボアクセサリーを利用して様々な撮影ができる様に準備しておきますしょう。
  2. ハイライトとシャドウのコントロール: 衣料品の形や質感を強調するためには、適切なハイライトとシャドウが必要です。ストロボの位置や角度を調整して、製品の最も魅力的な部分を強調します。服全体のシャドーのコントロールと同時に、生地に対するシャドーコントロールも必要です。一方向からだけでない光のミックスを使う時もあります。
  3. バウンスライト: 特にインドアでの撮影では、天井や壁を利用して光を反射させることで、自然な照明効果を得ることができます。壁の色や、蛍光物には注意が必要です。
  4. ハイスピードシンクロ: 動きのあるファッションショット、例えばモデルが歩くシーンなどで、動きを捉えつつ背景を明るく保ちたい場合に有効です。
  5. オフカメラフラッシュ: カメラのホットシューの位置からではない方向からの光をフラッシュで作ることです。製品やモデルをサイドから照らすことで、より立体的なイメージを得ることができます。ただし、フィルライトがある方がキャッチライトが効果的な場合があります。キャッチライトとは被写体の目に写り込むハイライトのことで、これがあることで人の黒目が生き生きと表現できます。

アパレル事業における撮影は、商品の魅力を最大限に引き出すことが求められます。上記のストロボテクニックを駆使することで、衣料品の質感、色、形などの細部を鮮明に捉え、消費者に対して強力な印象を与えることができます。

まとめアパレル事業者にとって、写真は商品を消費者に伝える最も強力なツールです。色と形がしっかり伝わる写真で商品の質を、イメージ的写真でブランドの魅力を伝えることで、顧客の心をつかみ、売上げを向上させることを目指します。スマホのカメラも高品質になりましたが、太陽光に近くて強いストロボ光を衣類に当てて、その反射を記録するストロボ写真が顧客に与える影響は測りしれません。

投稿者プロフィール

奥本 光城
奥本 光城株式会社フォトサリュ代表
写真好きカメラ業界経験30年。カメラ店勤務からグリラーメーカー、そして国産ストロボメーカー、アルバム製造機材販売専門商社を経て、株式会社フォトサリュを設立。ネット活用を映像と想像力で構築し生成AiやNFT制作、動画編集にも着手。様々な方法を融合して個人のブランディングをお手伝いいたします。

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